第8回「風俗卒業後のお仕事探し応援制度!」

風俗嬢のセカンドキャリアへの道 <後編>

今回は前回に引き続き、風俗嬢のセカンドキャリアに不安を抱えながら働いている人や、 これから風俗のお仕事をしようと考えている人に向けて風俗嬢のセカンドキャリアを応援するために活動している専門家からお話を伺います。

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働く女性の全国センターの伊藤みどりさんからアドバイス

【求職者支援制度について教えてください】

「求職者支援制度」とは、雇用保険を受給できない方が、職業訓練によるスキルアップを目指して早期就職を実現するために、国が支援する制度です。 一定の条件を満たしていれば、月額10万円の受講手当が支給され職業訓練を受けることができます。以下、主な受給条件。

・本人収入が月8万円以下
・世帯全体の収入が月25 万円(年300 万円)以下
・世帯全体の金融資産が300 万円以下
・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
・全ての訓練実施日に出席している(やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる訓練期間の8割以上出席していること

一度でも訓練を欠席(遅刻・欠課・早退を含む。※やむを得ない理由を除く)したり、ハローワークの就職支援(訓練終了後の就職支援を含む)を拒否すると、 給付金が不支給となるばかりでなく、これを繰り返すと、訓練期間の初日にさかのぼって給付金の返還命令などの対象となります。

詳しい受給条件や申請方法については、厚労省のHPで確認したり、各地にあるハローワークで詳しくことができます。

◆求職者支援制度について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kyushokusha_shien/dl/kyusyokusya02.pdf

◆都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/

【職業訓練にはどんな種類がありますか?】

職業訓練には、ビジネスパソコン、ホームページ制作、アプリ開発、Webプログラミング、Webデザイン、OA・経理、 総務事務、営業人材育成、不動産・金融ビジネス、医療・調剤・介護、医療レセプション養成、介護福祉士実務者研修、 介護福祉初任者研修、DTPクリエーター養成、洋服ファッションリフォーム、ファッションアパレル、Webネットショップ、 インテリアコーディネーター、カラー/アロマ実務、ネイリスト養成、エステ・シニア・アロマ・トータルケアセラピストなどなど、 その他いろいろな職業訓練コースがあります。仕事を覚えながら働きたいという人には、雇用型訓練というのもあります。
各都道府県によって、職業訓練コースの種類は様々で違いもあります。自分の興味のある職業訓練コースが住んでいる地域にあるか、 「求職者支援訓練認定コース情報検索ページ」で検索してみてください。毎月いろいろなコースの募集があり、訓練期間は3~6ヶ月が多いです。 1年間の訓練期間を要するものは毎年4月に募集が締め切られるので注意してください。

◆求職者支援訓練認定コース情報検索
http://nintei.jeed.or.jp/kyushokushien/search/
(※このサイトの使い方のコツがあります。まず、知りたい都道府県にチェックを入れます。そして、 [訓練開始月]を現在よりも2ヶ月先くらいに設定してください。募集前のものは出てきません。 [訓練推奨者]のところはどこにもチェックを入れないで検索してみてください。対象者を特定していないコースがほとんどなので、 どれかひとつでもチェックを入れると、検索結果が0件になります。[訓練コース分類]のところはチェックしていただいて大丈夫です。)

自分のやりたいこと、自分に向いてる仕事がよくわからないという方は、各地にあるジョブカフェに行って、
キャリアカウンセリングを無料で受けてみるという方法があります。キャリアカウンセラーが、向いているお仕事診断をしてくれたり、相談にのってくれます。

◆経済産業省が取り組むジョブカフェ
http://www.meti.go.jp/policy/jobcafe/jobcafe_all.html
ただ、予約制になっているところが多いので、早めに登録し予約をすることをおすすめします。

【昼職のお仕事選びの前に知っておくとよいことはありますか?】

ちゃんとしている会社であれば、労働契約書の書面をくれますが、労働契約書をくれないところもあります。 また一般的に、普通の会社であれば週20時間以上31日以上の雇用見込みがあれば雇用保険に加入する義務があり、 雇用されれば誰でも自動的に雇用保険適用対象になります。健康保険、厚生年金も労働日数、 労働時間が正社員の4分の3以上であれば対象になります。雇用保険に入っていない会社だと、倒産、解雇、契約期間の満了等によって離職した場合、 失業手当がもらえません。念のため、確認しておきましょう。

風俗で働いていたことを隠して就職活動をしなければならないことについていろいろ不安を感じている方が多いと思いますが、 中小企業であれば、過去に確定申告をしていたかどうかなどは聞かれることはないと思いますし、 履歴書に風俗以外の仕事歴(アルバイト、飲食店員、ショップ店員など)を書いた場合も、大企業や、 機密情報を扱うようなセキュリティ関連業務でない限り、前職の仕事内容や職場を調べられることは、すくないでしょう。

自分で貯めたお金で起業したいと思っていて、どうやって自分で会社を作れるのか知りたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。 そんな方には、各地域の起業支援事業があります。地方公共団体系が主催するセミナーなどは参加費もあまりかかりませんし、 女性限定の起業セミナーも豊富です。こうしたところにアクセスして、起業のための助成金情報を得るのもいいかもしれないですね。

◆地方公共団体系の支援機関一覧
http://www.ifinance.ne.jp/venture/link/public.htm

働いていて、もし困ったことがあれば、働く女性の全国センターのホットライン0120-787-956(※開設時間はHPで確認してください)に相談してください。 解雇、雇い止め、不利益変更、退職勧奨、倒産、雇用不安、セクハラ、いじめ、サービス残業、長時間労働、配転、転勤、産休、育休、社会保険、 賃金格差、労災…職場のあらゆる悩み相談を受け付けています。

◆働く女性の全国センターのWebサイト
http://wwt.acw2.org/