第11回「確定申告と年金・保険のお話」

税理士さんに聞いてみよう♪

質問・「確定申告をしないと、どうなるの!?」

回答・確定申告をしないメリットは…
当然のことながら、税金を払わなくてすみます。
※たとえば収入が300万円あれば、(所得税20万円+市民税30万円+健康保険20万円として)最終的に70万円くらい税金で引かれます。 さらに、確定申告しなくても、それでやっていけてる人がたくさんいるのが現状だそうです。 ただし、それには以下のようなデメリットもあるので、よく考えてみましょう。

回答・確定申告をしないデメリットは…
(1) 何か事故にあっても、所得を証明出来ないので、損害賠償を請求できません。たとえば、事故に遭ってケガをしてしまい、その間仕事が出来なかった場合を考えてみましょう。 そういう場合、通常は事故の加害者に、その間自分が働いていた分の収入を損害賠償として請求することが出来ます。 しかし、もし確定申告をしておらず所得証明が出せないと、そうした収入を公に示すものがないので、損害賠償を請求することは出来ません。

(2) 上記と同様に、所得を証明出来ないので、クレジットカードを作ったり、ローンを組むことが出来ません。 ちなみに、通常借入れをしようと思ったら過去3年間の所得証明が必要になってきますが、収入に波のある職業だと、借り入れが難しくなります。
※この他に、もし裁判をすることになった場合、確定申告していないと、義務を果たしていないということで社会的信用が無いと判断され、不利な立場、印象の悪い立場になることがあるそうです。

質問・「所得証明(源泉徴収票)の代わりになるものってあるの?」

回答・確実とは言い切れませんが、あります。
多くの性風俗店では、実質的に雇用関係にあっても、表向きはお店が個人事業主(各コンパニオン)に場所(プレイルーム)や移動手段(車)を提供しているということにしており、雇用関係を認めていないとすれば、源泉徴収票は貰えないでしょう。 しかし、そうした場合でも、「お店はこの人にいくら渡してます。」って証明するものを何か出してくれれば、たとえ源泉徴収票が無くても、ひょっとしたらですけど、その代わりに出来ることがあるかもしれません。 また、確定申告するときには、収入の証明になると思います。

質問・「お店に税務署が入って来たら、コンパニオンも追及されてしまうの?」

回答・基本的にお店が追及されるだけです。
コンパニオンにいくら払ってるか分からない以上は、基本的にお店が追及されるだけです。 ただ、この「いくら払っているか」を調べる目的で来ていたら、追及されるかも…。
もし、追及されたら『明細に「税その他10%」って書いてあるから税金は店が払ってくれていると思っています。』など、思っていることをきちんと伝えて下さい。 ちなみに、お店がちゃんと確定申告しているかどうかは、税務署が入らないと分かりません。

質問・「年金払ってなかったら、どうなる!?」

回答・まず、年金が支給されないので、将来は年金生活が出来ません。
次に、もしも事故や病気で突然障害を抱えた場合、年金が支給されないので、困ることになります。

保険屋さんに聞いてみよう♪

質問・「保険証が無かったら、どうなるの!?」

回答・怪我や病気になってしまった時、全額自己負担しなければいけません。
もしも怪我や病気になってしまった時、保険証があれば医療費が3割自己負担ですみますが、無ければ全額自己負担しなければいけません。 日本国内で入院した場合、1日あたりの病院代は約1万5千円と言われています。

質問・「親の扶養に入っとけば保険証貰えるの?」

回答・はい、貰えます。
ただし、収入が130万円以上ある人は、健康保険で親の扶養に入ることは出来ません。
ただ、親が会社員ではない場合、住民票が一緒だと収入が130万円以上あっても、親と一緒に加入できる場合があります。 ちなみに、収入が無い人はたくさんいるので、大人になっても親の扶養に入っている人は少なくありません。

質問・「性風俗店でも、労災保険(仕事中にケガをした場合などの保険)は請求出来るの?」

回答・出来なくはないかなぁと思います。
お店には労災保険に入る義務があります。そのため、もしもお店が対応してくれなくても、労働基準監督署に駆け込めば、お店に労災保険を請求することが出来ます。 ただし、お店からは目をつけられてしまうので、そのお店で働き続けることは難しいかもしれません。 ちなみに、お店は人を雇用する場合、従業員と認めて、労災保険と一緒に失業保険(失業した場合の保険)にも加入しなければなりません。
ただ、税理士への質問2であったように、店が雇用関係はない、とはねつける可能性がありますね。

質問・「鬱病で通院経験があったら、生命保険に入るときに言わないといけないの?」

回答・はい。言わなければいけません。
もし、うつ病のお薬を飲んだり、うつ病で通院経験があることを申告しないで生命保険に入った場合、そのことを申告しなかった責任があるとして、保険会社から保険金が出ない可能性があります。

質問・「稼げてるうちにまとめて保険料払ったり出来るの?」

回答・出来る保険もあります。
たとえば終身保険(保障が一生続く保険)は、掛け捨てではなく解約返戻金(積み立て部分をこう呼びます)が増えてきます。 年齢が若いと保険料が安いのでトク、さらに稼げているのであれば、まとめて払えば払うほどトク、という考えですね。

質問・「傷害保険は、仕事中の外性器の怪我でも保険出るの?」

回答・残念ながら出にくいと思います。
まず、傷害保険は、入院しないと保険金が出ない入院保険と違い、怪我の通院でも使えますし、限度額の範囲であれば、通院するたびに保険金が出ます。 しかし、外性器の怪我は一般的な生活における怪我としては認められにくく、保険金は出にくいと思います。